2012-02-04

ザイザルvsアレグラ

昨夜は三井ガーデンホテル柏で、グラクソ・スミスクライン㈱主催の東葛北部ザイザイル発売記念講演会がありました。ザイザルは、抗ヒスタミン剤ジルテックの光学異性体を改良し、眠気を少なくした薬剤で、一昨年年末に発売されました。1年間投与した感想は、有効性はジルテックやその後発品と同等で、眠気は確かに少ないです。発売後1年間は処方日数が2週間までという制限がありましたが、現在では制限がなくなり長期投与が可能になりました。
抗ヒスタミン薬を服用することによって、本人が自覚しない集中力や判断力、作業能率が低下した状態のことをインペアード・パフォーマンスと呼んでいますが、最近はインペアード・パフォーマンスの起こりにくい薬剤を選択をするのが流行です。従来、眠気やインペアード・パフォーマンスが最も少ないと言われた抗ヒスタミン剤は、アレグラでした。ところがザイザルが誕生してからは両者良い勝負であり、眠気の少ない抗ヒスタミン剤の両横綱となりました。
2種の薬剤を比較すると、
①アレグラは1回1錠1日2回内服で、1日薬価164.6円
②ザイザルは1回1錠1日1回内服で、1日薬価121.9円
コストパフォーマンスでは、ザイザルに軍配が上がります。ちなみに2剤とも後発品は存在せず、先発品のみです。
さらに1日1回ならば飲み忘れは少ないのですが、2回となると飲み忘れの可能性も起こります。
ところで蕁麻疹の治療で通常量で無効の場合、最近の流行りは多剤併用ではなく、1種の抗ヒスタミン剤の倍量投与です。ザイザルならば、そのまま2錠分2で処方可能ですが、アレグラでは保険の制約で4錠分2で処方は不可能なので、患者さんに口頭で指示することになります。この点でもザイザルに軍配が上がります。私の経験ではアレグラもザイザルも倍量投与でも眠気を訴えた患者さんはおりませんでした。
以上を総括すると、一見ザイザルの方に分があるように思いますが、アレグラの実績と歴史は強固です。今まで毎年花粉症でアレグラを飲み慣れた患者さんは、やはり今年もアレグラの処方を希望されて来院されます。他院でアレグラを投与されていた患者さんが当院に来院されることもあります。薬剤変更の場合、その根拠を説明する必要があり、その手間暇を惜しむと同様処方に流れてしまいます。新規なら投与しやすいです。
ところで、厳密にインペアード・パフォーマンスを考慮しなくてもよいならば、私はジルテックの後発品のセチリジン塩酸塩を好んで出します。1日薬価は61.5円でザイザルの半額です。慢性疾患で長期投与する場合は、患者さんの負担を減らしたいという意図があるためです。

昨日の演者の先生は、都内T病院皮膚科部長のE先生でした。お酒の好きな先生らしく、ジルテックとザイザルの関係を玄米、精白米、大吟醸に譬えていました。おいしい部分を抽出して精製した、という意味だそうです。納得です。このE先生は、一見、プエルトリカンかイタリアン風のラテン系風貌をされ、皮膚科医の中ではタレント性のある異色の逸材です。懇親会でご挨拶したものの、私は食べるのに夢中で、今から思うとツーショットの写真を撮らせていただけば良かった、と思います。ブログにアップできたのに・・・。
今日も夕富士がきれいでした。今日は立春、春はもうすぐ。

6 件のコメント:

  1. 詳しく教えて下さってありがとうございます。
    今日、ザイリルを処方されて、なんで他にも抗アレルギー剤がたくさんあるのに、あえて高いのを選んだのか、理解できませんでしたが、理解できました。光学異性の改良で,新薬になるなんてびっくりです。グラクソ・スミスクラインには悪いですが,早くジェネリックが出て欲しいです。念のため,ジェネリックの治験もやってほしいですが。

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  2. 質問させて下さい。ここ2ヶ月、汗をかくと出るタイプの蕁麻疹を発症し、現在血液検査中なのですが、コリン性の疑いもあるみたいです。

    アレグラが効かず、その時顔は含め全身に出た蕁麻疹で呼吸困難になりました。これはもともとウイルスか風邪で喉の腫れがあり、それで呼吸器が圧迫されて苦しくなったものと思われ、時間が経てば呼吸困難は収りました。

    翌日アレロックとザイザルをふたつ処方されました。
    その時の主治医(皮膚科)の経験上、この組み合わせが強力との事で納得してたのですが、喉の治療で別の病院に行って現在飲んでる薬を見せたら
    同じような抗アレルギー薬をふたつ出すのはおかしいと言われました。

    慢性化しており、頻繁に蕁麻疹が出ては仕事にも支障があったので強いなら私としてはその方がありがたいのですが、アレロックの方の眠気は承知でこの組み合わせでとりあえず飲んでいても良いでしょうか?

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  3. コリン性蕁麻疹は難治で、抗ヒスタミン剤で完全に治まりにくいことが多いです。主治医とご相談の上、根気強く治療を続けてください。なお当ブログでの医療相談は一切致しかねます。理由は度々当ブログ内で記載しました。ご質問に対しての回答は控えさせていただきます。

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  4. はじめまして。以前耳鼻咽喉科でザイザルとセレスタミンを同時にだされました。どちらも抗ヒスタミンで、ちょっとかぶっていいのかなと、患者なりに疑問におもうことがありました・・・・。ザイザルは小粒でしたが、あまり蓄膿への効果は感じませんでした!アレグラの市販化に驚き検索していたら おじゃましてしまいました。失礼致しました。

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  5. 初めまして。
    アレルギーもちで、セチリジン塩酸塩を服用しています。
    セチリジン塩酸塩がインペアード・パフォーマンスを引き起こす可能性はあるのでしょうか。
    ご回答よろしくお願いいたします。

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  6. 添付文書には、眠気を催すことがあると記載されています。頻度は低いながらも可能性はあります。

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